私は、光を追いかける癖がある。
小さな頃から、空から差し込む柔らかな日差しや、雨上がりの街灯が水たまりに揺れる様子に心を奪われていた。
今夜、街はイルミネーションで輝いている。私はひとり、川沿いの遊歩道を歩いていた。お気に入りの白いTシャツとデニムを身にまとい、風になびく髪を気にも留めず、光が織り成す色彩の中に溶け込むような気持ちで。
この街での暮らしは、どこか退屈だった。大学の講義とバイトに追われる毎日。特別なことなんて何も起きないと思っていた。そう、あの夜までは。
橋の上で見つけた古いカメラ。それは光に包まれて、まるで私を待っていたかのように佇んでいた。誰かが忘れていったのか、それとも偶然なのか。手に取ると、不思議と温かみが伝わってきた。その瞬間、カメラのレンズに反射した光が私の目を強く射抜いた。
「使ってみて」とでも言うように。
私はそのカメラを持ち帰り、試しにシャッターを切ってみることにした。撮った写真は、普通の景色に見えた。でも、次の日、写真をもう一度見返したとき、そこには写るはずのない光の軌跡が映り込んでいた。まるで空間に刻まれた記憶のように。
「こんなの、ありえない……」
カメラが私に語りかけているような気がして、胸がざわついた。これが単なる不具合だとしても、何か特別な意味があるように思えたのだ。
その日から、私はカメラを持ち歩くようになった。光に触れるたび、心が引き寄せられるようにシャッターを切る。イルミネーションがきらめく街並み、日没前の川辺、そして街灯が静かに灯る路地裏。
そして、気づいてしまった。そのカメラが「未来」を写していることに。
ある晩、撮った写真の中に見知らぬ男の人がいた。背の高いシルエットと優しい横顔。どこかで見たような気もするけれど、まったく思い出せない。なぜこの人が写っているのか。翌日、街を歩いていると、その男の人が本当に現れたのだ。
「君、写真好きなんだね?」
突然の言葉に驚きながらも、私は何かに導かれるように頷いた。彼の名前は透(とおる)。聞けば、彼も写真を撮るのが趣味で、この街のあちこちを歩きながら光を追いかけているらしい。
透と一緒に過ごす時間は、不思議なほど自然だった。私たちは夜の街を歩き、カメラ越しに同じ景色を切り取った。光が変わる瞬間を共有するたび、心が温かく満たされていくのを感じた。
でも、ある日、私はそのカメラでまた彼の写真を撮った。そして気づいてしまった。次に彼が写るのは、何かが「終わる」場所だということに。
写真には、橋の上で彼が光に包まれている姿が映っていた。
私は急いでその場所へ向かった。胸の奥がざわざわとして、涙がこみ上げるのを抑えられない。どうしてこんな写真が写ったのか、どうして彼とこんなにもつながりを感じるのか。
橋の上で待っていた彼に、私は問いかけた。
「透、このカメラ、未来を写すの。あなたに何か起きるかもしれない。」
彼は微笑んで、「じゃあ、未来を変えられるかな?」と言った。その瞬間、シャッターを切る音が響いた。
写真に写ったのは、彼と私が手をつないで立つ姿。そして背景には、無数の光の粒が輝いていた。
その日から、カメラの不思議な力は消えてしまったけれど、私たちの中には新しい光がともっている。それは希望の光。未来を照らす光。
私はまた光を追いかける。でも今度は、ひとりじゃない。
<終わり>
※作品は完全なフィクションであり、実在の人物や団体とは一切関係がありません。
今回の創作に使用したテクノロジー
AI画像生成
- ツール:Stable Diffusion WebUI AUTOMATIC1111
- 使用モデル:reproductionSDXL_2v12
- 画像加工:Adobe Photoshop Express、PhotoScape X
AI小説作成
- ツール:ChatGPT
これらの最先端のAIツールを通じて、新しい形の創作表現に挑戦しています。
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